MEDIEVAL SILVER / BASEL
【このコイン、裏も同じ顔。】
顔がふたつ? その秘密は、薄い銀板にあります。
片面から図柄を打ち込むブラクテアートは、裏側に同じ図柄が左右反転して凹んで現れる仕組み。
中世の銀貨には、作り方にも驚きがあります。
バーゼル司教領 1ペニヒ銀貨 / NGC AU 58
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SWITZERLAND / BISHOPRIC OF BASEL
■ 1335〜1365年の時代(現在のスイス・バーゼル)
バーゼル司教領 ブラクテアート 1ペニヒ銀貨
NGC AU 58
今回ご紹介するのは、中世ヨーロッパの
バーゼル司教領 1ペニヒ銀貨です。
発行年代は、司教
ヨハン2世ゼン・フォン・ミュンジンゲン(Johann II Senn von Mnsingen)の在位期間、1335〜1365年に位置づけられます。個別の鋳造年を示すものではありません。
薄い銀板を片面から打刻する
ブラクテアート。その独特な作りに、今とは異なる貨幣の世界が広がります。
歴史、図柄、鑑定評価を順にご紹介します。
◆ 約670年前の「司教が発行したお金」
中世ヨーロッパでは、王や皇帝だけでなく、司教も貨幣の発行に関わっていました。バーゼル司教領もその一例です。
当時の司教は、信仰を導くとともに領地の統治を担う存在。貨幣に表された司教の姿には、宗教と政治が深く結びついた時代背景が重なります。
バーゼルは現在のスイスに位置しますが、本貨は近代のスイス国家が発行したものではなく、
中世の司教領の貨幣です。
◆ NGC鑑定 AU 58
本品の鑑定情報は
NGC AU 58です。
「AU」はAbout Uncirculatedの略。NGCの基準では、AU 58は
図柄の最も高い部分にごくわずかな摩耗がある、未使用に近い評価です。完全な未使用や無傷を意味するものではありません。
中世の手打ち貨幣は、製造時の打刻や輪郭にも個性があります。グレードとあわせて、掲載写真で細部をご確認ください。
◆ コインスペック| コイン名 | バーゼル司教領 ブラクテアート 1ペニヒ銀貨 |
| 発行年代 | 1335〜1365年の時代(発行者の在位期間。個別の鋳造年は不明) |
| 発行地 | バーゼル司教領(Bishopric of Basel) |
| 発行者 | Johann II Senn von Mnsingen(在位1335〜1365年) |
| 額面 | 1ペニヒ(Pfennig) |
| 材質 | 銀 |
| 製法 | 片面打ち(ブラクテアート) |
| 形状 | 四隅型ペニヒ(Vierzipfliger Pfennig) |
| 図柄 | ミトラを着けた左向きの司教像 / 左右にB-A / 頭上に輪状意匠 |
| 参考分類 | HMZ 1-255 / Wielandt 117に見られる図柄の系統 |
| 鑑定機関 | NGC |
| グレード | AU 58 |
| 認定番号 | 8241887-008 |
◆ 中世貨幣ならではの個性
ブラクテアートは薄い銀板を用いた手打ちの貨幣。同じ種類でも、輪郭や打刻位置、大きさなどに違いがあります。
一枚ごとの表情を見比べる楽しさは、中世貨幣ならではの魅力です。
本品の重量・直径・銀品位は確認できていないため、他の作例の数値を転用していません。
◆ 歴史的背景 ― 1356年、バーゼルを襲った大地震
ヨハン2世の在位中、バーゼルでは歴史に残る大災害が起こりました。
1356年10月18日、バーゼル大地震。
スイス地震局によれば推定マグニチュードは約6.6。スイスで歴史的に記録された最大の地震で、建物の倒壊に加え、火災も街を襲いました。
本貨が位置づけられる1335〜1365年は、その出来事を含む時代です。ただし、この一枚が地震当日に流通していたか、災害を経験したかは分かりません。
銀貨を眺めながら、当時の街並みや人々の暮らしを思い描く。歴史上の出来事を身近に感じられるのも、中世コインを集める楽しみです。
◆ 図柄を読み解く■ 表面 ― ミトラを着けた司教
表面中央には、
ミトラ(司教冠)を着けた左向きの司教像。左右の
「B-A」と、頭上の小さな
輪状の意匠にもご注目ください。
この組み合わせは、HMZ 1-255 / Wielandt 117として紹介される作例でも確認できます。小さな文字や輪の形は、貨幣の種類を読み解く手がかりになります。
■ 裏面 ― 表面の図柄が凹んで現れる
ブラクテアートは薄い銀板を片面から打刻するため、裏面には表側の図柄が
凹んだ形(incuse)で現れます。
表裏それぞれに別の図柄を刻む現代のコインとは異なる、独特の立体感が見どころです。
◆ 状態について【コイン本体】
NGCよりAU 58の評価を受けています。
掲載写真では、司教の横顔や冠、周囲の文字を確認できます。銀面には褐色や金色を帯びた色合いが見られ、輪郭には切れ込みや凹凸があります。
中世に手作業で製造された薄い銀貨のため、打刻位置や輪郭にも個体差があります。縁や細部を含め、拡大写真で状態をご確認ください。
本品の具体的な状態については、NGCのグレードおよび掲載写真をご確認ください。
【スラブケース】
NGC鑑定済みスラブに封入されています。
保管・輸送等に伴うケース表面の細かなスレ等がある場合がありますので、掲載写真にて状態をご確認ください。
◆ 販売者のひとこと
司教が治める街で、薄い銀板から生まれたお金。書物で読む中世の世界が、一枚の銀貨を通して少し身近になります。
コレクションに、中世バーゼルへの小さな入口を。
アンティークコインがお好きな方にも、ヨーロッパの歴史に惹かれる方にも、じっくり眺めていただきたい一枚です。
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ご質問などございましたら、お気軽にどうぞ。
最後までご覧いただきありがとうございました。
素敵なご縁となりますよう、心よりお待ちしております。
※商品は写真に写っているものがすべてです。
※モニター環境により、実物と色味が異なる場合があります。
※中世に手作業で製造された貨幣のため、打刻・輪郭等には個体差があります。