絶版 日本三文オペラ 開高健 大阪軍事工場からクズ鉄を盗みまくる「アパッチ族」を描いた金ない希望ない秩序もない 猥雑と醜怪の極限を描く

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自宅保管の品です。中身は大変美品ですが古いものですので、表紙など若干の経年変化はございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。


日本三文オペラ 開高健 大阪軍事工場からクズ鉄を盗みまくる「アパッチ族」を描いた


金はない。希望もない。秩序もない。
大阪を舞台に、猥雑と醜怪の極限を描く、人間の本質を抉り出す快作。 「裸の王様」で芥川賞を受賞した著者が、大阪のアウトロー集団に潜り込み、書き上げた。


大阪の旧陸軍工廠の広大な敷地にころがっている大砲、戦車、起重機、鉄骨などの残骸。この莫大な鉄材に目をつけた泥棒集団“アパッチ族"はさっそく緻密な作戦計画をたて、一糸乱れぬ組織力を動員、警察陣を尻目に、目ざす獲物に突進する。一見徒労なエネルギーの発散のなかに宿命的な人間存在の悲しい性を発見し、ギラギラと脂ぎった描写のなかに哀愁をただよわせた快作。


目次
第一章 アパッチ族
第二章 親分、先頭、ザコ、渡し、もぐり
第三章 ごった煮、または、だましだまされつ
第四章 てんでばらばら
第五章 銀が……
終章 どこへ?
解説 佐々木基一


本文より
新世界そのものは、美術館のある丘のしたにひろがった、むらむらとした湿疹部、または手のつけようもなくドタリとよこたわった胃袋とでもいえるようなところだから、ジャンジャン横丁はそれにつづく腸管みたいなものである。フクスケはその腸管のなかを流れる青い夕靄(ゆうもや)の川のなかにただよっていた。ここ二、三日、彼はなにも食っていなかった。彼のねぐらは胃袋の入口にあたるような、動物園の植込みのかげにあった。そんなところに寝起きしながら干されるというのはすこし妙な気がするが、事実であった。
(「第一章 アパッチ族」)

レビューより
大阪の広大な旧軍事工場からクズ鉄などを盗みまくる「アパッチ族」を描いた話。どんな氏素性や身体・精神にハンディのある人間でも、アパッチ族の中では何らかの役割を与えられ、仕事の役に立っている、という体制が興味深いです。そして、そういう組織なせいか、部落ぜんたいが活力に満ち溢れているのです。話し言葉とか、何いってるかさっぱりわからないのに、臭い立つような強烈な力強さ。文体も鋼のように固くて歯ごたえがあり、たいへん面白かったです。最後は切ないぜ。

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