イスラムからの発想 (講談社現代新書) 大島 直政 9784061456297

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神はアッラーの他になく、マホメットは神の使徒なり――イスラムに近づく鍵は、この唯一絶対神の重みである。結婚式の前に離婚の条件を取りかわす“エンギの悪い”習慣、無神論者を自称すると、人間扱いされなくなる、親しさに応じて定価が変わるという商人のモラル、ボクラ(明日)とは、無限に続く未来の一日のこと……など、日本人の常識とは180度違った、まったく不可能な世界である。しかし、何がタブーか何が常識かを知り、それを尊重しなければ、この世界では、ビジネスの成功はおろか、人間としても認めてもらえない。本書は、理解が至難のイスラム世界を、感情ぬきで知るための「イスラム教徒とつき合う知恵」の書である。

インシャラーの世界――我々の大半は、「なせばなる!」というモラルを持っている。だから、ことが成らなかった場合、「ならぬは人が、なさぬなりけり」であるとして、自他を問わず、「人間に対してだけの責任」を追及しはじめる。ところが、イスラム世界の人びとは、原則として「人間限界主義者」であり、ことが成らなかった場合も、「ならぬは神が、なさぬなりけり」と考えてしまう。そして、この精神構造の差が、イスラム世界で仕事をする日本人にとって、現地人とのトラブルの大きな原因になるのだ。だが、「なせばなる!」主義を振りまわす日本人は、イスラム教徒から見ると、人間の分際でありながら、やろうと思えば何事もできるのだと、まるで神であるかのごとく思い上がっている連中だ、ということになる。――本書より
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