名盤 KAI FIVE 嵐の明日 甲斐よしひろ テレビドラマ『並木家の人々』のために書き下ろした名曲「風の中の火のように」収録

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嵐の明日


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ニュー・シングルの表題曲がよい。ドラマ「並木家の人々」の挿入歌として初めて聴いた時から,忘れられない哀しく胸に迫る旋律。こういう昔ながらのファン感涙の曲もあれば,ガラッとイメージが違うギタリスト田中氏の歌う曲もあり,なかなか楽しめます。

BS-2で甲斐よしひろ氏の最新ライブがオンエアされた。 カバーアルバム『10ストーリーズ』収録曲よりもオリジナル曲のほうが格段にハートに響いたのだが特に「風の中の火のように」がたまらなく沁みて、ひさびさにこのアルバムを手に取った。
甲斐バンド解散後曲の焦点がはっきりしないものが多い中、かつての同志・長岡和弘氏をプロデューサーに迎えて『愛』にコンセプトを絞った今作は集中して楽しめたほどで、30代甲斐よしひろの作品群でもエポックメイキングな一作だったと思う。

テレビドラマ『並木家の人々』のために書き下ろした「風の中の火のように」「嵐の明日」には、たとえ面倒ごとは数多く抱えていようと一人だけでは生きていけない“時代を超えた人間の業と宿命”さえ感じてしまう。
赤ん坊を抱えながら去った男を探しつづける女性の「涙のアドレス」、失恋した男が日曜日の朝宗教番組を聞きながら狂ってゆく姿を描く「切ない痙攣」のリアルさ、「落下する月」「都会(まち)のつらら」に見える“生きる力”としての愛。 また、多奈加ヤッチがボーカルをとる「月に泣く」「桟橋の街」「青二才(ナイーブ)」も決して違和感はなく、KAI FIVEという共同体(バンド)ならではのものだろう。 当事徳永英明も手掛けていた国吉良一のアレンジもまた冴えていた。

せっかくバンドとして固まってきたにもかかわらず、次のシングル曲「激愛(パッション)」が今作を越えた出来でなかったと判断し、KAI FIVEは解散というかたちはとらずに活動停止した。 その後の甲斐さんの迷走状態(ラッパーを“パートナー”に迎えたり、よりによって商業主義者・小室哲哉と組むとは正気の沙汰とは思えなかった)を考えると、やはり甲斐さんはバンドあってこそ輝く人なのかもしれない。
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