D13 津軽通信 太宰 治  (新潮文庫)  令和4年発行 

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文庫です。 きれいなほうです。

短篇小説には、独自の技法があるように思われる。
短かければ短編というものではない――。
10枚から20枚前後という枠組みの中に躍る、太宰の天才的な才能。
「掌篇小説」の面白さ、味があふれる、異色の一冊。

疎開先の津軽の生家で書き綴られた、新しい自由な時代を迎えた心の躍動が脈うつ珠玉編『津軽通信』。原稿用紙十枚前後の枠のなかで、創作技巧の限りをつくそうと試みた中期の作品群『短篇集』。戦時下の諷刺小説『黄村先生言行録』シリーズ。各時期の連作作品を中心に据えて、それに戦後期の『未帰還の友に』『チャンス』『女神』『犯人』『酒の追憶』を加えて編集した、異色の一冊。

著者の言葉
短篇小説には、独自の技法があるように思われる。短かければ短篇というものではない。(略)
近世では西鶴なんて大物も出て、明治では外がうまかったし、大正では、直哉だの善蔵だの龍之介だの菊池寛だの、短篇小説の技法を知っている人も少くなかったが、昭和のはじめでは、井伏さんが抜群のように思われたくらいのもので、最近に到ってまるでもう駄目になった。皆ただ、枚数が短いというだけのものである。(『十五年前』、本書「解説」より)


【目次】
短篇集
ア、 秋
女人訓戒
座興に非ず
デカダン抗議
一燈
失敗園
リイズ

黄村先生言行録
花吹雪
不審庵

津軽通信
庭
やんぬる哉
親という二字
嘘
雀

未帰還の友に
チャンス
女神
犯人
酒の追憶

解説:奥野健男


太宰治(1909-1948)
青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
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