

吉田磯吉
昭和11年1月、元首相をはじめ2万人余りが参列した壮大な告別式で見送られた吉田磯吉(1867年生まれ)は、「近代ヤクザの祖」と呼ばれながらも実業家や国会議員として活躍した異色の傑物です。
極度の貧困から身を起こした彼は、持ち前の度胸と才覚で筑豊の「川筋者」の頂点に立ち、「九州の大親分」と称されました。しかし、力の世界にありながら「生涯決して他人を傷つけることがなかった」という信念を貫き、その義理人情に厚い生き様は火野葦平の小説『花と龍』にも描かれています。
どん底から這い上がり、暴力ではなく人望で数万人を束ねて中央政界へと駆け上がった彼の波乱万丈な生涯は、まさに激動の近代日本が持つ光と影を色濃く映し出しています。
堀川国広、出羽大掾国路にも見て取れる素晴らしい名刀です。
元幅広くガッチリした造り込みに、刃文は濤乱刃風で素晴らりく、地肌良く詰み、沸が強く、しっとりした潤いが有る一振りです。
吉田磯吉が想いを込めて奉納された特別な1振りです。
認定書に記載している無銘(水田)は、備中国(現在の岡山県)で栄えた日本刀の流派・水田国重(みずたくにしげ)一門などの無銘の刀剣を指します。
室町時代末期(大永頃)に備中国荏原で始まり、新刀期以降も全国で栄えました。
古作の伝法にとらわれず、沸(にえ・粗い粒子)本位の相州伝(そうしゅうでん)に属する華やかな大乱れや、互の目(ぐのめ)、尖り刃を交えた力強い刃文が特徴です。
優れた腕前を持っていたため、江戸時代には高名な相州伝の上工(上手な工)の作に見せかけられたものや、銘が消された無銘の作品も多く存在します。鑑定書では「伝 水田国重」や「無銘(水田)」として保存刀剣などに認定されることがあります。
昭和52年5月13日発行
詳細は画像にてよくご確認のうえ、ご入札をお願いいたします。
種別 刀
長さ 68.5cm
反り 2.0cm
元幅 3.3cm
先幅 2.0cm
元重 0.6cm
先重 0.5cm
重量 約740g
目くぎ穴 2個
銘文
表 奉献 吉田磯吉 当年六十九才
裏 (なし)
登録記号番号 東京都 第82507号
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