正直なところまだ手放す決心がついておらず、高めの値段で出品しています。
本気でご興味のある方がいらっしゃいましたら、試奏や現物確認、値段交渉などできればと思いますのでご質問ください。
こちらはPaul Reed SmithとJoe KnaggsによるPrivate Stock黄金期に製作された、時代を象徴するようなSinglecut Tremです。
Knaggs期のSinglecutは圧倒的にストップテールピースが多く、トレモロ付きの仕様は10本に1〜2本程度の非常に希少なモデルです。シリアルナンバーは3桁中盤と、Knaggs時代でもかなり初期の個体です。
まず特筆すべきは、PRS本社のVaultでもなかなか入荷のないワンピースのEast Coast Maple。
くっきりとしたフィギュアが一度も途切れることなく、ボディトップを横一直線に走る様子はまるで絵画のようです。私自身、多くのPRSを見てきましたが、このレベルのワンピースEast Coast Mapleは他に記憶がありませんし、今月The Vaultの木材をPaul Milesにチェックしてもらったときも、やはりこのようなワンピーストップはありませんでした。
この躍動感と大胆さ、そして上品でクラシックな風格の両立。PSで派手なバール模様やスポルテッド模様がもてはやされる前の、まさにこの時代を象徴する美しさです。
他の木材構成も素晴らしい。
ネックおよびボディにはホンジュラスマホガニーを採用。Private Stockでも滅多に見かけることのない、年輪が真っ直ぐに通った美しい柾目材。全面にキラキラとダイヤのように輝くリボン杢が浮かび上がる、稀有なホンマホです。ネックには大きなフィギュアが炎のように浮かんでいます。
ここまで整ったホンジュラスマホガニーは滅多に見られませんし、重量感や金属的なタップトーンからも相当オールドグロースな巨木だったことが想像されます。
指板にはBrazilian Rosewoodを採用。真っ黒な色味と非常に少ない道管を持つ上質な材で、Paul Reed Smith本人が自身のギターによく用いていたタイプのBrazilian Rosewoodです。音で選ばれる最高級の指板材と言えるでしょう。
そしてこのギターを唯一無二の存在にしているのがインレイです。
インレイとイーグルには世界で最も希少で高価な木の一つと言われるSnakewoodを採用。真っ黒のBRW指板にさらにアクセントを加え、さらにアウトラインには現在オーダー不可能となった14K Goldが使用されています。
Knaggs期でもほぼ見たことのない仕様であり、1vol 1toneのSC Trem仕様や木材のクオリティ含め、現代のPrivate Stockでは再現できません。豪華でありながら決して派手になりすぎず、クラシックな高級楽器のような品格を感じさせます。
搭載されるピックアップは純正の#6。
Bassはまるでシングルコイルのような煌びやかさを持ち、53/10をさらにストラトキャスター寄りにしたような、はじけるサウンド。ブティック系のシングルコイルをそのまま太くしたようなサウンドで、ポールが最も好きな「シングルのような音がするハム」をそのまま具現化したような音です。
それに対しTrebleは往年のPRSらしい力強さと、クリーミーできめ細かな歪み。押し出しが強く、それでいて豊かなミッドレンジを持ち、耳当たりは驚くほど滑らか。近年のハイファイなPRSのPUにはない独特の魅力を持った名作ピックアップです。
サウンド面においても、ホンジュラスマホガニー、Brazilian Rosewood、East Coast Mapleという木材構成が生み出す密度感は格別。太く力強い基音と美しい倍音が共存しており、Singlecutでありながら驚くほど生き生きとしたレスポンスを持っています。
コンディションは背面に多少傷、全体的に多少の使用感、トップに若干の曇りがありますが、2003年のギターとしては非常に綺麗でプレイアビリティは抜群の状態です。COAになる前のレター形式のスペックシートの時代ですが、残念ながら欠品しています。
現在の1/3とも言える生産量で、まるでルシアー物のギターのように一点一点手作業で作られていた、Knaggs期のプライベートストック黄金期を象徴するSinglecut Trem。
今後これほどのシングルカットに出会う機会は極めて少ないでしょう。