2000年代初頭の日本クラブミュージックシーンだからこそ生まれた奇跡的な珍盤にして快作。テクノ、エレクトロ、ヒップホップ、そして日本独特の脱力感あふれるユーモアが絶妙に融合した一枚である。
当時の日本のクラブシーンでは、ストイックなミニマルテクノやクリックハウスが台頭する一方で、電気グルーヴ以降の“笑いとダンスミュージックの共存”という文化も脈々と受け継がれていた。本作はまさにその系譜に位置する作品と言える。
タイトル曲「エクスタシー温泉」は、その名前からして強烈。温泉という極めて日本的なモチーフと、クラブカルチャーを象徴する“エクスタシー”を結び付けたセンスは唯一無二。エレクトロビートの上をコミカルかつ中毒性の高いフレーズが駆け抜け、フロアを笑顔に変えてしまう不思議な魅力を持っている。
プロデュースに参加するDJ Tasakaは、Kagamiらと並び、当時の東京テクノシーンを代表する存在。本作でも彼らしい太いグルーヴとエレクトロ感覚が随所に感じられる。
B面「モアモア」もまた名曲。よりヒップホップ的なノリを持ちながら、エレクトロニックな質感とポップセンスが絶妙に共存している。インストやアカペラも収録されており、DJやリミキサーにとっても実用性の高い仕様となっている。
2002年という時代を振り返ると、日本のクラブミュージックは世界的なテクノ/ハウスシーンとの接続を保ちながらも、独自のユーモアやサブカルチャー性を失っていなかった。本作はその空気を象徴する作品のひとつだろう。
真面目に作り込まれたサウンドと、どこかふざけたタイトルや世界観。その絶妙なバランスこそが「エクスタシー温泉」の魅力。
シールド未開封品。
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