1986年に発表されたこのアルバム(制作過程で『Electric Caf』というタイトルでも知られる)は、クラフトワークがデジタル時代の入り口に立ち、自らの方法論を更新しようとした挑戦作だ。70年代のミニマルで幾何学的なリズム構築をさらに精緻化し、80年代中盤のデジタル機材やサンプリング技術を積極的に取り込んでいる。リズムマシンとシーケンサーの連続性は冷徹でありながら、同時に軽快で遊び心すら漂う。代表曲「Music Non Stop」は、機械音楽の極北ともいえる反復性と未来志向を体現し、その後のテクノ、ハウス、エレクトロの進化を予告している。初期の無機質な実験精神と、80年代的なポップネスが拮抗するアルバムであり、結果的にクラフトワークの中でもやや異端視されつつも、後世のクラブカルチャーにとっては不可欠な橋渡し的存在となった。
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