盛岡藩南部家伝来『備前国福岡一文字貞真』本阿弥光常折紙 本邦初公開 鎌倉時代中期のうぶ茎在銘太刀 大日本刀剣鑑定所証書 時代打刀拵付属
福岡一文字派は鎌倉時代初期の則宗を始祖とします。その則宗は
後鳥羽上皇が諸国の名工を集めて作刀した御番鍛冶の筆頭に選ばれて
います。彼が最高の栄誉に浴した事で福岡一文字派は鎌倉時代中期に
かけて隆盛を迎えます。福岡一文字派の貞真は、宗忠の子と伝え、
宝治年間(1247~49)頃の刀工とされていますが作風は父の宗忠よりも
古風で古一文字風が強く出るとされています。重要文化財などが伝わって
おり福岡一文字を代表する名工となっています。
この刀は鎬造、庵棟、身幅広く、重ね厚く、元先の幅差つき、反り深く
ついて、踏張りがあります。切先は中切先が少し詰まっています。
豪壮ですが格調高さも兼ね備えた見事な太刀姿をしていると思います。
鍛えは板目肌に杢が交じり、地沸が細かについて、映りの現れる非常に
美しい福岡一文字らしい鍛えになっていると思います。刃文は直刃調に
小乱れ、小丁子を交え、匂勝ちに小沸がついて、細かに金筋や砂流し
かかり、明るく冴えた古一文字風の古雅な刃を見事に焼き上げて
いると思います。帽子は直ぐに入って小丸になっています。茎はうぶ
茎で貞真の二字銘があります。旧盛岡藩主南部家に伝わった御刀です。
南部家は甲斐源氏の流れを汲み、鎌倉時代から江戸時代を経て明治の
廃藩置県まで北東北を治めた本邦を代表する名門武家です。
本阿弥家十二代目光常の折紙が付帯しています。光常の折紙はその高い
鑑定眼から古折紙と称され珍重されています。大日本刀剣鑑定所の
鑑定書が付属しています。所有者氏名は南部家四十三代目「南部利淳」の
名義となっています。南部利淳は文化人であり芸術文化に理解があった
事で知られています。45歳で急逝しておりその才能を惜しまれた人物です。
黒塗鞘打刀拵が付属します。縁頭は平戸住国重の在銘です。独特な
風合いの真鍮を用いた技法を得意とした江戸時代中期の良工です。長崎と
いう地域柄、南蛮渡来の意匠を取り入れているのが特徴とされています。
雲龍図ですが作風は南蛮風を示しています。目貫は赤銅地の龍図、鍔は
鉄地です。お聞きした話では南部家所縁の旧家に長期間仕舞われていた
そうです。そのため鞘に補修跡が見受けられます。南部家に伝来した
福岡一文字貞真の貴重なうぶ茎在銘太刀で本邦初公開、うぶ出しの
名刀といって問題ないと思います。
長さ/74.0㎝ 反り/2.2㎝
元幅/32.3mm 元重/7.8mm 先幅/19.3mm 先重/5.0mm 刀身のみの重量830g
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