【 生きる伝説 】
ローマ時代からの永いワイン造りの歴史があり、ボルドーの右岸地域では唯一公式格付けを設立しているサンテミリオン村。
世界遺産にも登録される風光明媚なワイン生産地です。
そのサンテミリオンの砂利質の一番優れた土壌に「シャトー・シュヴァル・ブラン」は居を構えます。
サン・テミリオンの格付けではトップに君臨する
「第一特別級A」。
その筆頭がこの「シュヴァル・ブラン」でしたが、2022年9月のサン・テミリオン格付け更新時に格付けからは完全撤退。
単純な格付けの枠に収まり切れない、
真のトップ・オブ・トップ・シャトー、それが
「シュヴァル・ブラン」です。
シュヴァル・ブランのディレクター、ピエール・リュルトン氏とテクニカル・ディレクター、ピエール・オリヴィエ・クルエ氏は、
単純に格付けの基準にワイナリーが当てはまらないことが、撤退を決断した理由だと述べています。
そんなシュヴァル・ブランとシャトー・オーゾンヌは、
『サン・テミリオンの二翼』
として今も変わらず存在しますが、両者の性格は明らかに異なります。
サン・テミリオンの地は土壌の異なる2つのエリアに分類されており、ひとつはコート(台地)と呼ばれ、
メルロの栽培に適した粘土石灰質の土壌。
シャトー・オーゾンヌを含む第1特別級のほとんどのシャトーがこちらに属します。
もう一つはグラーヴ(砂利の意)と呼ばれ、カベルネ・フランがよく栽培されている砂利質の土壌。
シュヴァル・ブランは、砂利質土壌の優位な土地に属します。
カベルネ・フランを多く使用したことによって現れる、
コクと力強い味わいがこのシャトーの真骨頂。
さらにポムロルの「レ・ヴァンジル」や「ラ・コンセイヤント」と溝一つの距離のため、
ポムロルに近い、リッチでねっとりとした酒質。
こうした個性がシュヴァル・ブランにしか表現出来ない
『唯一無二の稀有な味わい』
を産み出すのです。多くの愛好家が
『シュヴァル・ブランにぞっこんに惚れ込んでしまう』
のもこの辺りが原因かもしれません。
そして飲み頃の期間が特に長いとも言えるのがシュヴァル・ブランのワイン。
シュヴァル・ブランは瓶詰めされた時点で既に香り高く魅惑的な味わいですが、
年を追うごとに更に調和がとれ風格を増します。
五大シャトーやポムロルの宝石「ペトリュス」にも、これほどの柔軟性は持ち得ていません。
五大シャトーに「ペトリュス」「オーゾンヌ」とこのシュヴァル・ブランを加えた
『ボルドー8大シャトー』
の一角として、ボルドーワインラヴァーを常に魅了し続けています。
それだけに、一度は飲んでみたいと思っている方も多いワインであり、
セラーコレクションにはぜひ加えておきたい銘柄のひとつ。
もはやサンテミリオンの
『生きる伝説』
です。
2003年は、21世紀の気候変動が如実に表れた例外的な
『酷暑の年』。
8月の平均気温が平年を10度も上回った結果、
カベルネ・フランは十二分に成熟。
アルコール度の高い長期保存向きの
グレート・ヴィンテージ・ワインに育ちました。
熟成は23年。
更なる極みへと昇華する途上にあります。
メディアの評価もすこぶる高く
ジェームス・サッカリング 96点
ワイン・スペクテーター 96点
ワイン・エンスージアスト 94点
ワイン・アドヴォケイト 93点
ジャンシス・ロビンソン 17.5/20点
を獲得したモンスター・ワインです。
ブレンド比率は、
カベルネ・フラン 56%
メルロ 44%
フルボディで重層的且つ官能的。
猛暑となった2003年ですが、熟成によってタンニンが丸みを帯び
上質なシガーやオリエンタルスパイスを思わせる香りと
食欲をそそる余韻が長く続きます。
非常に肉付きが良く、リッチでパワフルな一面を持ち合わせながら、
バランス良く抑制されており、繊細な風味を愉しむことができます。
ピュアでエネルギッシュな酸が感じられると、次第に華やかな余韻へと変化し、砕いた石の塩味、アニス、タバコとクルミのニュアンスが持続。
『これは長期熟成に優れたポテンシャルを持っており、
準備が整えば間違いなく抑えきれないほどの喜びを与えてくれるだろう。』
ともコメントされるほどの潜在能力を秘めた1本です。
長期の熟成を経ることで現れる、キノコや燻製のようなフレーヴァは旨味と共に口中を満たし、
遥かに永い余韻となって飲み手を魅了します。
慈悲深くとてもセクシーな1本です。
飲み頃は2030年とも2040や2050年とも予想される
息の長いワインですから
投資対象としてもセラーに収めて置ける
究極の1本です。