NEC Corporation / NEATOMIC Rb-3100F ルビジウム周波数標準器です。
銘板表記は DATE 88-1、SERIAL NO.420。1980年代のNEC製ルビジウム周波数標準器で、10MHz基準源として使用されていたものと思われます。
入手後、内部を点検し、長時間の動作確認を行いました。
当初、周波数が周期的に変動する症状がありましたが、分解点検したところ、内部のアルミシャーシと外側キャビネットを固定するビス4本が取り外された状態になっており、本来ヒートシンクを介して外部へ逃がすべき熱が内部にこもる状態となっていました。
固定状態を復元し、放熱を正常化したところ、周期的な周波数変動は解消しました。
その後、80時間以上連続通電して十分にエージングした状態で、C-FIELDによる周波数調整を実施しています。
測定には Agilent 53131A を使用し、外部リファレンスには GPSDO-Rb 10MHz を使用しました。
Gate Time = 100 sec にて、調整後は
10.0000000000〜10.0000000001 MHz
付近で安定していることを確認しています(画像1・画像2)。
10MHzに対する表示上の相対偏差は、おおむね 0〜+1×10程度ですが、これは当方所有のGPSDO-Rbを基準として53131Aで比較測定した結果です。公的機関による校正値ではなく、測定環境・基準器を含めた参考値としてお考えください。
本機には +24V、G、ALM、CHK1、CHK2 端子があります。
CHK1は内部VCXOの制御状態確認用と思われ、安定動作時には約 7.77V 付近を確認しています。
CHK2はルビジウムランプ光量または光検出系のモニタ電圧と思われ、安定動作時には約 9.5V を確認しました(画像3)。
ALM端子は通常動作時、ほぼ 0V でした。
ルビジウム発振器、周波数標準、GPSDO、OCXO、10MHz基準源、位相比較などに興味をお持ちの方向けの機器です。
40年近く経過した非常に古い測定機器ですので、今後の動作や長期安定度を保証するものではありません。輸送後の周波数変化、経年変化、再調整の必要性なども考えられます。
新品同様の性能保証を求める方ではなく、構造や特性をご理解いただける方、整備・調整のできる方向けとお考えください。
外観には年代相応の傷、汚れ等があります。内部についても、過去に整備・手が加えられた形跡があります。写真をよくご確認ください。
なお、本体のLOCKランプが破損しており、内部からランプ(LED)用と思われるケーブルが引き出されています。こちらについては、動作確認結果を追記予定です。
現状で10MHz出力および長時間安定動作を確認済みですが、ビンテージ精密機器につき現状優先でお願いいたします。
NEC製NEATOMICシリーズは現在では資料も少なく、Rb周波数標準器としてはなかなか見かけない機種です。
実験用10MHz基準、周波数標準の研究、GPSDOとの比較、Rb/OCXOの挙動観察などにいかがでしょうか。
発送は、ヤマト100サイズ(休日も発送)です。予めご了承ください。
(2026年 9月 17日 17時 11分 追加)①「内部からランプ(LED)用と思われるケーブル」につきまして
LOCKランプ用の2線と考えていましたが、コールドスタートから9.999999999xMHzになるまで7.67V(10KΩ+LED接続)を維持したままです(オープン時は約18V)。CHK1,CHK2の動きにも相関がありません。
機能詳細は現時点では不明です。
②「10MHzに対する表示上の相対偏差」の説明に誤りがありました。訂正いたします、面目ございません。
誤 0〜+1×10程度
正 0〜+1×10E-11程度