20年の歳月をかけてヴァン・ヘイレンのベスト・アルバムはリリースされたが、それでもなお、彼らはその出来に満足していないようだ。初代ヴォーカリストのデイヴィッド・リー・ロスとの演目からなる1枚とその代役を11年にわたって務めるサミー・ヘイガーとの演目からなるもう1枚の2枚組構成という当初の企画ではなく、CD1枚で彼らのキャリア全体を総括することをバンドは選んだ。 まったくの初心者にとっては、このアルバムは80年代ハード・ロック・シーンを塗りかえたバンドへの絶好の入門編となることであろう。鮮烈なギターが印象的な「Ain't Talkin' 'Bout Love」や「Dance the Night Away」といったなつかしいトラックから、アルバム『1984』収録の「Jump」や「Panama」など、よりコマーシャルなナンバーへと息つく間もなく続く。そして、これらはまた、「Right Now」「How Do I Know When It's Love」におけるヘイガーのなめらかで、より巧みなヴォーカルにスポット・ライトをあてることになる。 しかしながら、新参者が歓喜に震える一方で、古くからのファンは、ロスを迎えたプレミア入りの新収録2曲がただの駄作であることに深く失望するであろう。