※分解整備・実写確認済レンズを準備ができ次第追加出品中です。よろしければ出品リストからご覧ください。
○出品物は以下の3点です。
・Super-Multi-Coated TAKUMAR 50mm F1.4
・フロントキャップ(ノーブランド・新品)
・リアキャップ(ノーブランド・新品)
・人気がある同社の55mm F1.8レンズと比較すると、出品個体はF1.4になっているため被写体前後のぼけ方が少し大きくなります。また焦点距離が50mmとわずか5mm短いためより広い範囲が撮影できます。
・同型のレンズはいわゆるアトムレンズを3枚使用しているため多くの個体で強い黄変を発生しています。この黄変が残っている個体はカメラのオートホワイトバランスで補正できるレベルではないものが多いという実態があります。しかし、出品個体は紫外線を照射することで黄変をほとんど感じないレベルにまで軽減していますのでカラーバランスの良い撮影結果が得られます。
・フォーカスリングの操作感を改善するためにCOSINAがヘリコイドラッピングと呼んでいる方法を参考にしながら個々のレンズの状況に応じた内容でヘリコイドの溝を研磨しました。この方法の詳細については、以下のリンク先に説明(pdfファイル)を置きました。 ・私がお取引いただいている落札者の方々の中にはリピーターの方が多くいらっしゃいます。その一部の方々とは時々カメラレンズにかかわる情報交換を行っていますが、多くの有益な情報をいただき大変助かっています。その中で最近になってラップ研磨にかかわる話題が増えているため、関連する情報を商品写真及び商品説明末尾に置いた説明文取り上げています。前述の「ヘリコイドラッピングの概要と効果」に示されている内容は私がラップ研磨を始めて間もないころにまとめたもので、その後内容の更新はカルサイトの砥粒のことだけです。その後月日が流れさらに多くの情報に触れ付け加えるべき内容がたまってきました。そこで、少し時間はかかると思いますが「ヘリコイドラッピングの概要と効果その2」を作成しようと考えています。それまでに、時々その一部を商品ページで紹介していこうと思います。
※参考までに商品写真に,この個体による実写例を入れましたのでご確認ください。実写例はSONY α7RⅡによるもので、すべてフルサイズ画像です。これらを含めた高解像度画像の実写例を以下のリンク先で確認できます。任意の画像を選択後「オリジナルを表示」または「ダウンロード」にすると,4240万画素の画像を部分拡大して見ることができます。また,ここでは商品の詳細画像も確認できます。
【外観及びレンズの状態】
・外観は経過年数相応の使用感があり、入手時に銘板周囲のフィルターねじ込み部をペンチでこじったと思われる跡があります。おそらく分解清掃等のためにレンズの銘板を取り外そうとしたようですが銘板は取り出せない状態でした。レンズ先端を何かにぶつけてフィルタ-取付部が内側にへこんだためだと思います。その部分は分解整備のため、叩き出しによって成形し直し銘板を取り外しました。先端の補修痕が目立つ状態です。ただし、フィルターのねじ込みはスムーズにできます。
・レンズ内を背後から強い光で照らして確認すると前玉と後玉の表面に斑点状のカビ除去痕が風数見られますが、通常の目視では目立ちません。、カビ、くもり、バルサム切れなどの目立つ劣化は見られません。
・前玉裏面の外周部に拭き残しのように見える擦れがあります。
・以上のように外観に問題がありますが、光学系は概ね良好で実写例のようにクリアな撮影結果が得られています。
【可動部の状態】
・フォーカスリングは全周にわたって一定の手応えでスムーズに回転します。逆転時の遊びはなくピント合わせを正確にできます。ヘリコイドにラップ研磨処理を行ったため、回転時に指先にざらつきや擦れなどの違和感が伝わってくることはありません。
・距離環を回転させる際の手ごたえは軽めにして、グリスの粘りを感じながら素早く回転させられる状態にしています。
・絞りリングは軽い力でスムーズに回転し、クリック感も良好です。
・フォーカスリング及び絞りリングは多くの方に良好だと感じていただける操作感に整備できていると思います。
・絞り羽根の動作はPENTAX SPボディに取り付けて確認しましたが,シャッターに連動して迅速に開閉しました。
【このレンズの特徴等】
・M42マウントのレンズです。
・レンズのガラス材以外の部品は総金属製であるため,コンパクトなレンズにもかかわらず手に持つとずっしりと重たく感じます。
・クリアな撮影結果が得られ,F1.4では被写体の前後を大きくぼかしたふわとろ描写ができます。商品写真の中にあるF1.4で撮影した実写例をご覧ください。
・最短撮影距離は0.45mです。
【分解整備の内容】
・フォーカスリングのヘリコイドに使用されていた古く汚れたグリスを除去し、ラップ研磨により,溝の奥にたまった細かな汚れを取り除いた後,粘度が適した新しいグリスを塗布しました。
・内部のレンズ面に付着していたチリなどを可能な限り清掃しきれいな状態にしました。商品写真中のレンズ背後からライトで照らした画像をご確認ください。
・水洗可能な部品は分解時に洗剤による洗浄を行い汚れや不要な古い油分を取り除きました。その後、超音波洗浄機で洗浄しました。ラップ研磨済みのヘリコイド鏡筒もラップ剤の溶剤による二浴洗浄、洗剤による洗浄後超音波洗浄機で処理しました。
・絞り羽根及びその関連部品を清掃しました。
・最近はフィルムカメラの需要が増えていることがニュースでも取り上げられていました。私の無限遠調整はすべてそのレンズを使用する前提で製造されたフィルムカメラに装着して正確に行っています。出品中のレンズはPENTAX SPボディに取り付けて距離環を無限遠側いっぱいに回した位置で星や月面にピッタリとピントが合うように調整しています。マウントアダプターを介してミラーレス一眼で使用した場合は多くの場合わずかにオーバーインフ(無限遠マークのわずかに手前で無限遠にピントが合う)になり無限遠にはピントが合わせることができる状態になるはずです。
・無限遠調整時の被写体は(1)明るい恒星、(2)恒星と同じ結果になるように調整した無限遠コリメーター、(3)約200m先にある鉄塔のいずれかで調整時に利用可能なもので行っています。無限遠コリメーターは口径10.2cm焦点距離1200mmのアポクロマート天体望遠鏡(PENTAX 100ED)の接眼部にピンホールと光源を取り付けたものです。また、調整時にはカメラボディーに自作の高倍率マグニファイアを装着して確認しています。(1)~(3)のいずれで調整しても全く同じ結果になることを確認しています。
※ミラーレス一眼にマウントアダプターを介して取り付けた場合は、そのマウントアダプターの設計や工作精度によって無限遠位置が異なります。多くの場合はオーバーインフになることを確認しています。これは、マウントアダプターを使用した際に確実に無限遠が出せるように余裕を持たせてた設計にしているためだと思います。オーバーインフ気味になるマウントアダプターに取り付けて無限遠を精密に調整してしまうと、その時使用したものでしか正確な無限遠が出ないだけでなく、多くの場合そのレンズを本来のフィルムカメラに取り付けた時には無限遠にピントが合わないことになります。
☆お願い☆
・オークションの終了後48時間以内に支払いを完了していただける方のみの入札をお願い致します。この期限が過ぎた場合は補欠落札者に連絡を取る,または,再出品のため「落札者都合にて削除」させていただきます。
・このレンズは,入手した時点で既に中古品でした。特に光学系の状態については新品級の品質を希望される方にはご満足いただける状態とは言えません。また分解整備についても個人の趣味のレベルで行っているものでプロによるものではありません。入札される場合はそのことをご了承くださいますようお願い申し上げます。商品写真と実写例をじっくりご確認いただいた上で入札をご検討ください。
・受け取り連絡は商品が到着して商品の状態に問題がないことを確認後速やかにお願いします。
【送料】
・「ゆうパケットプラス」送料440円での発送を基本と致しますが、速達をご希望される場合は「レターパックプラス」送料600円での発送も選択可能です。
※ゆうパケットプラスによる発送について
・まとめて取引の条件を満たす場合は、標準レンズであれば4本程度を同梱して発送することが可能です。
・陸送扱いのため発送から配達まで他の発送方法と比較すると日数を要します。北海道からの発送ですが遠方ほど時間がかかります。これまで発送した結果では北海道内は翌日、関東地方はば3日後、関西地方は4日後、沖縄県は7日後の配達の場合が多く、1日遅れる場合もありました。
・ご不在時の配達で郵便受けに入らない場合は再配達となります。再配達では配達日時の指定が可能です。置き配の設定も可能です。
・専用の箱で発送することになっていて,大きさは縦17cm×横24cm×厚さ7cmです。
※レターパックプラスによる発送について
・午前中の締め切りまでに発送できると、まれに1日遅れることはありますが沖縄県も含めた全国ほとんどの地域で翌日配達となります。
・手渡しの配達で配達日時や置き配の指定はできません。再配達時には日時指定が可能です。
・厚さに制限がないため厚さ10㎝程度で梱包できるため十分に緩衝材を使用することができます。
・匿名取引には対応していません。
※まとめて取引について
・詳細は以下のヤフオクヘルプページでご確認ください。この条件を満たす場合はまとめて取引の対応が可能です。ヘルプにも記載されていますが,まとめて取引を行うためにはまとめたい商品をすべて落札後取引を開始する必要があります。
・まとめて取引は最大72時間以内の落札物に適用されますが,同一日以外のオークションでまとめて取引をご希望なさる場合は取引メッセージ欄からその旨をお伝えください。こちらからその可否についてご連絡をいたします。最初にご落札いただいた商品の取引開始前でもメッセージ欄から連絡を取り合うことは可能です。
この画像はヘリコイド表面の微細構造をとらえるため、溝の底面と頂点を正確に同じ拡大率でれぞれ撮影し、上下に並べたものです。下の方に入れたスケールの最小目盛りは1mmを100等分した0.001mm=10μmです。この画像では2~3μm程度の構造まで判別可能です。私はもともと自然科学系を扱う仕事をしていたためその時に実務で行っていた撮影方法を応用しています。
この画像をよく見ると多数の条痕(平行な筋)が見えていますが。これは溝を切る際に使用したバイトという刃物の先端で刻まれたものです。溝の底面側は条痕が少ないように見えていますがこれは照明の当たり方がのせいだと思います。よく見るとコントラストは低めですが多くの筋が確認できます。なお所々に不規則に見られる短めの傷のようなものはおそらく溝の中に入り込んだ微細な砂粒のようなものによると思われます。 条痕の太さは10μm以上のものもありますが多くはもっと細く5μm程度かそれ以下になっていることが確認できます。また、条痕の深さについては画像からは判別できませんがAI(Agent i)に情報を探してもらったところフィルムカメラ時代のMFレンズの場合、通常は幅が3μm~30μm程度、深さが0.1μm~2μm程度だそうです。
以上の予備情報をもとに以下の点について説明してみます。
[ヘリコイドの山の頂点と溝の底面は斜面の部分と比較して隙間が大きくなっているため、微細な砥粒ではその部分の汚れや異物は除去できないのではないか。]
実際にラップ研磨を行うとこびりついていた異物が除去できています。その理由はラップ研磨の特性によるものですが、ラップ研磨を行う際にはヘリコイドの隙間の中に砥粒と工作液を混ぜたラップ剤を充満させます。この状態でヘリコイドを回転させると砥粒が絶え間なくすべての面にぶつかり、硬度の低い物質は削り取られていくということのようです。
[製造時に一度ラップ研磨を行ったヘリコイドにラップ研磨を行うと削りすぎによるガタが発生しないか]
製造時のラップ研磨を現在も行っているという情報はコシナとライカの高級MFレンズ製造時に行っているという情報は見つかります。これらのメーカではヘリコイド間の隙間を通常のものよりも狭くしてより精密な研磨をしているそうです。また、AIによる情報で出典は不明ですが、有名なレンズの1つであるSuper-Takumarを製造していた時代にも多数の作業員を動員してラップ研磨を行っていたそうです。この時代には他もメーカーでも同様の製造過程を採用していたとのことです。その後しばらくしてSMC TAKUMARが製造される時代になるとヘリコイドを研削する装置の精度が上がったことと大量生産の時代になったためラップ研磨は行われなくなったと説明されていました。
いずれにしてもラップ研磨で削りすぎになることは絶対に避ける必要があります。もしも、メーカーの製造時に使用していたラップ剤を使用した場合はその危険があると思います。しかし、ヘリコイドの奥にたまった汚れを除去するだけの場合は硬いこびりつきがある場合を除くほとんどの場合は硬度が低いカルサイトのラップ剤で金属にダメージを与えることなく異物だけを除去できます。硬いこびりつきがある場合は酸化アルミニウムのラップ剤が必要になりますが私が使用している0.5μmの砥粒でほとんどのこびりつきが除去できます。しかも、このサイズの砥粒ではヘリコイド表面の厚みを減らすためには大きな力を加えるとともに回転させる回数を多くする必要があります。以前から、削りすぎにならないことを重視していましたので研磨後の条痕の状態を時々観察していました。また、レンズを組み上げた後はカメラのファインダーを高倍率表示にして逆転時の遊びがないことを確認しています。これまでも商品説明にはこの遊びについての確認結果を必ず記述しています。
(2026年 9月 15日 10時 03分 追加)黄変が実写結果に与える影響を確認するためのレンズ色及び実写結果比較画像を前述の実写例を置いたリンク先に追加しました。その中の05.jpg右側が現在出品中のレンズのものです。06.jpgは黄変が強く発生している個体と黄変が発生しない前期型の比較です。