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【超希少】ヴィリス 手巻き腕時計 1910年頃 真珠母貝製ベゼル アール・ヌーヴォーの手彫り彫金ケース 手書きアラビア数字白色琺瑯(ほうろう)文字盤 アンティーク
・文字盤:約3.1センチ(竜頭を含む)
・稼働しませんでした。
・リューズによる時刻合わせ出来ました。
・裏ぶたの内側に刻印なのか文字のようなものがありますが判別出来ませんでした。また裏ぶたが緩めです。
・年代物の商品の為、針などに緩みがある場合がございます。配送の振動などにより到着時に外れている可能性がございますことを予めご理解いただける方のみご検討ください。
・中古品の為、キズ、汚れ等あります。
・状態等は画像にてご確認下さい。
・ヴィンテージ品のため、防水性能は保証できません。
・状態については写真を優先し、高額商品になりますので、十分ご確認の上ご入札ください。
・神経質な方、新品同様をお求めの方は入札をご遠慮ください。
・すり替え防止のため、返品はお受けできません。
※他にも腕時計を出品しておりますので、時間がありましたら見て行ってください。
リスト・ウォッチというものがまさに生まれようとしている時代に製作された最初期の腕時計。腕時計の形をしてはいますが、ムーヴメントの様式をはじめ、19世紀の懐中時計の名残を色濃く残しています。
【トランジショナル・ウォッチ】
本品は懐中時計から腕時計が生まれようとする時代に製作された時計です。バンドを取り付けた腕時計ではありますが、文字盤や竜頭(りゅうず)のデザイン、ムーヴメント(時計内部の機械)に19世紀の懐中時計の面影を強くとどめており、懐中時計にバンドを付けたもの、といっても過言ではありません。1900 - 1910年代に製作されたこのような時計を、「トランジショナル・ウォッチ」、すなわち移行期の時計と呼んでいます。本品には次のような特徴があります。
ケースはブロンズ製で、懐中時計に施されていたのと同様のエングレーヴィングによる彫金細工が施されています。これは鋳型に流し込んで模様を付けたのではなく、ビュラン(彫刻刀)を使って手作業で模様を彫っています。
五枚の花弁を持つ可愛らしい花が四輪、彫られています。植物文様は19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを席捲した日本趣味、アール・ヌーヴォーの影響です。花の種類はおそらく薔薇でしょう。清楚な五弁の薔薇は、聖母マリアの花として愛好されました。
文字盤は懐中時計の様式で、真っ白な琺瑯(ほうろう)にローマ数字によるインデックスを手書きしてあります。インデックスは12時のみ赤色になっています。2, 4, 6, 8, 10時の五箇所に、可愛らしいシルバーの点が打たれています。
文字盤上部に「ヴィリス」(VIRIS) というブランド名あるいはメーカー名、文字盤の最下部に、ドイツ語で「シュヴァイツァー・マルケ」(Schweizer Marke スイスの商標)と書かれています。「ヴィリス」という名前が書かれた時計は珍しく、私も本品しか見たことがありません。名前の由来は不明ですが、ラテン語として読むと、"VIR"(男性)の複数与格が "VIRIS" で、「男性たちのために」という意味になります。まず女性の間で使われ始めた腕時計が、これから男性の間にも広まるようにとの意味合いを込めた命名ではないでしょうか。
針は懐中時計そのもののスペード型です。スペード型の短針は、リーフ型長針と組み合わせるのがルールです。
文字盤と取り巻くベゼル部分は一枚の真珠母貝(マザー・オヴ・パール)を削って製作されています。写真にうまく移りませんが、ラブラドレッセンスのような深みがある天然貝特有の輝きを見せています。
ムーヴメントはスイス製の手巻き式で、古い時代の懐中時計に見られる「シリンダー脱進機」を搭載しています。この形式の脱進機は19世紀までよく使われていましたが、やがてクラブトゥース脱進機に駆逐されて姿を消しました。
本品は外見上のみならず、機械の動作・性能の点でも、百年近く前の時計としては非常に良好な保存状態です。