珍しいGraflex製の8×10用フォーカルプレーンシャッターです。
私の知る限り、カメラ用フォーカルプレーンシャッターとしては最大のものです。
基本構造はSpeed Graphicなどのフォーカルプレーンシャッターと同様です。幅の異なるスリットが設けられた、いわゆる「ふんどし」と呼ばれるシャッター幕を、軸内部のスプリングで一方向に走行させ、スリット幅とスプリングテンションの組み合わせによってシャッター速度を変える構造です。
公称上は最高1/1000秒まで設定できますが、製造当時であってもどの程度の精度が出ていたのでしょうか。
Kodak 2-DやAnscoなどの8×10カメラで、カメラ本体とスプリングバックの間に取り付けて使用するものです。接続部を製作・加工すれば、Deardorffなどの8×10カメラにも応用できると思います。
相当に古い製品ですので、外観や機構の状態は決して良好とはいえません。
シャッター幕には補修がありますが、破れなどは見当たりません。晴天の空に向けて目視確認した範囲では、ピンホールや光線漏れは確認できませんでした。
ただし、実際にフィルムを装填しての撮影は行っていません。
シャッターの動作は、以下の動画でご確認ください。
https://photos.app.goo.gl/2UQcMGWR76gMtXqb7
上部の巻き上げ操作およびスリット幅の選択は可能です。
一方、下部のスプリングテンション調節機構は正常に操作できないようです。無理に動かすと破損させる可能性があるため、それ以上の操作は行っていません。
現在の固定されたテンションでもシャッター幕の走行は可能ですが、各設定で所定のシャッター速度を得るためには、点検・整備が必要です。現状品としてご理解ください。
シャッターを持たない古い大口径バレルレンズを8×10カメラで使用したい方、修理や加工のできる方、いかがでしょうか。