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Описание
かつてあれほどぼくの心のうちを占めた北海道とその幾多の町。津軽海峡を渡っていくときのあのときめきは、いったいどこに行ってしまったのだろうという思いは、今でもときおりぼくのなかにわだかまりとして残っている。三年まえに約束した北海道の写真集も、いまだに一枚のプリントすらできずにかつてのネガフィルムだけが山になって眠っている。いずれ作ることになるのだろうが、いま少し時間がかかりそうな気がする。まさか、青函連絡船が海峡から姿を消してしまったからだというわけにもいかないし、結局自分で自分にまだうまく説明がつかないのだ。
― 森山大道『犬の記憶 終章』朝日新聞社、1998年