陰陽を組み合わせた六十四の「卦」で、宇宙の根本原理から社会の推移動向、個人の幸・不幸まで森羅万象を表すという「易」。古代中国・周代に成立し、儒教・道教等において聖典と尊ばれた易の原典『易経』の深遠な哲学を、人生智として日常に活かすという視点から、分かりやすく解説。易学の入門書、概説書として最適。東洋哲学研究にも必携! (新訂版)
日本の思想家・社会学者であり巣鴨学園の創設者でもある遠藤隆吉(1874〜1946年)が、大正14年(1925年)に早稲田大学出版部から刊行した著作です。古代中国の聖典『易経』が持つ深遠な宇宙原理や陰陽の思想を、単なる占い(占筮)にとどめず、「激動の社会を生き抜くための日常の知恵(人生智)」として分かりやすく体系化した名著とされています。
遠藤隆吉が説く「易の処世」の核心
遠藤隆吉は、東洋哲学と西洋の近代社会学を融合させた独自の視点を持っていました。彼が本書で提示した処世観には、以下のような特徴があります。
■変化への適応(変化の哲学):世の中の事象はすべて「陰陽」のバランスで常に変化しています。調子が良いとき(順境)には驕らず次の衰退に備え、苦しいとき(逆境)には希望を捨てず好転の兆しを待つという、中庸と柔軟性の重要性を説きました。主
■体的な生き方:易を「運命に翻弄されるための占い」ではなく、「進むべきか退くべきか」という自らの行動指針(引き際・進み際)を決めるための道徳的・実戦的な思考ツールとして位置づけました。
■個性の発揮:「陰陽それぞれがその特色を発揮すべき」とし、社会組織や人間関係において、各自が置かれた立場(役割や陰陽の属性)に応じた最適な振る舞いをすることの大切さを解説しています。
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