朝鮮古写本『鑑感集』一冊
庶禁錮・庶許通論 栗谷李珥・牛溪成渾・趙憲・李元翼等
朝鮮王朝 身分制度関係史料 肉筆写本
■ 寸法:約 18.5 × 28cm
■ 形態:一冊・肉筆写本
■ 内容:朝鮮王朝における庶禁錮・庶疏通(許通)に関する史料集録
■ 表紙:経年による傷みがあったため、新しい表紙に仕立て直しています。
本品は、朝鮮王朝において長く問題となった
「庶(庶子)に対する禁錮・官職制限と、その疏通・許通」
に関する記録を集成した、非常に興味深い肉筆古写本です。
冒頭には大きく
「鑑感集跋」
と記されており、その本文は
我朝鮮沈痼庶之法
通萬古遍天下所無者也
との文章から始まります。
これは、朝鮮に長く根付いた庶差別の制度について、
「古今・天下を通じても極めて特殊な制度である」
という強い問題意識を示した文章と考えられます。
庶とは
朝鮮王朝社会では、妾から生まれた子孫は嫡出子とは異なる待遇を受け、
科挙、官職登用、清要職への進出などに多くの制限を受けました。
本書は、このような
庶禁錮の歴史と、その撤廃・緩和を求める議論
を、中国・高麗・朝鮮の先例、歴代の法制、名臣・儒学者の論説等を引用しながら論じています。
朝鮮王朝の著名な儒学者・名臣の論説を収録
本文中には、朝鮮王朝史上よく知られた人物の名が多数確認できます。
・栗谷 李珥( )
・牛溪 成渾( )
・重峯 趙憲( )
・梧里 李元翼( )
・遲川 崔鳴吉( )
など、歴代の名臣・儒学者の言説や上疏・議論・事績が引用されています。
単なる一個人の随筆ではなく、
庶疏通論の根拠となる歴史資料・先賢の言説を集めた資料集
と考えられる内容です。
特に栗谷李珥に関係する部分では、
庶に対する禁錮が長年続いてきたことを述べながら、
「王者は身分だけでなく人物・才能を見て賢者を登用すべきである」
という趣旨の議論が見られます。
つまり本書全体を通じた重要な論旨の一つは、
「嫡庶の身分差だけを理由として有能な人物を国家が捨てるべきではない」
という点にあります。
中国・高麗・朝鮮の制度を比較
本文では、中国では嫡妾の区別は厳格であっても、
庶であるという理由だけで子孫を永久に禁錮する制度は一般的ではなかった、
という趣旨の論が展開されています。
また高麗時代や朝鮮初期の事例も挙げながら、
庶に対する官職制限がいつ、どのように厳格化していったのかを論じています。
そのため本書は、
朝鮮王朝の身分制度・官僚制度・科挙制度・家族制度を考察するうえでも非常に興味深い内容
となっています。
後半部分には、庶出身あるいは庶問題と関連する文人・学者・武人等の実例が多数列挙され、
歴代の人物・制度・法令を根拠として
庶に仕官の道を開くべきである
との議論が続きます。
内容的には、
・庶禁錮
・庶許通、疏通
・嫡庶制度
・科挙制度
・官職登用制度
・朝鮮王朝の身分制度
・朝鮮後期社会史
などに関係する資料として見ることができます。
本書の正確な筆写年代・筆写者については、現時点では断定しておりません。
ただし内容・筆跡・用紙・収録されている議論等から、
朝鮮後期頃の庶許通問題に関係する写本資料
と考えられる興味深い一冊です。
なお、19世紀の庶疏通関係上疏にも、
李珥・成渾・趙憲・李元翼・崔鳴吉など歴代先賢の主張を集成した類似の構成が確認されますが、
本書との直接的な関係については断定しておりません。
■ 状態について
時代を経た古書・肉筆写本ですので、
ヤケ、シミ、汚れ、擦れ、折れ、虫損、綴じの傷み、
紙の劣化等があります。
表紙は傷みがあったため新しく仕立て直しております。
画像を多数掲載しておりますので、
必ず写真をご確認のうえ、古書・古文書の性質をご理解いただける方のみご入札ください。■ 発送について
領収書が必要な場合は、落札後にお申し付けください。
発行対応いたします。
韓国から丁寧に梱包のうえ、追跡可能な方法で発送いたします。
古書・古文書という商品の性質上、
返品不可 とさせていただきます。
朝鮮王朝の庶制度・身分制度・許通運動を伝える
興味深い肉筆史料です。
この機会にぜひご検討ください。