■生田耕作「自筆書簡」便箋3枚
◎大変珍しい生田耕作氏の自筆ものです。
「生田耕作氏の自筆が珍しい」というのは、次の事情からです。
たとえば、限定本に生田耕作氏の自筆原稿が1枚付いていることがありますが、これらのほとんどは奥様が清書されたものです。
つまり、生田耕作氏の原稿の大半は奥様が清書していて、耕作氏の自筆ではありません。
◎本書簡は、中央公論社「海」編集部に宛てたものです。書簡は3枚ありますが、1枚目を写しておきます。
「冠省
『黄金』あと一回分(約百枚)を残す
だけになりました。目下翻訳を進め
てをります。つきましてはお願いがあ
ります。電話でも申上げましたが、
今回、稿料を創作並みに一枚2500円にお
上げいただけないものでしょうか?
このような差別があることを知らず
長年つづけてまいりましたが、分っ
た以上はどうにも釈然としない心境
です。
創作か翻訳かという機械的区分」
→書簡の内容は、『黄金』の翻訳についての稿料値上げ交渉のようです。
2枚目には、「金銭上のことではなく、自尊心にかかわるものだ」と訴えていて、面白い内容です。
◎書簡の日付は、昭和五十八年(1983年)四月です。
書簡の消印には、「83.4.7.12」とあります。つまり、4月7日に投函されたようです。
◎おまけとして、1986年発行の『黄金』を同封します。
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