「ガリバー旅行記」 ◆ジョナサン・スウィフト（岩波文庫）

ジョナサン・スウィフト著、「ガリバー旅行記（Gulliver's Travels）」です。平井正穂訳、岩波文庫。状態は、全般にかなり良好です。送料はクリックポストで185円です（※厚さ2cm以下の文庫本は、合計１㎏を超えない範囲で計4冊程度まで同梱可能です）。　

★内容：　子供のころ、誰しも一度はあの大人国・小人国の物語に胸を躍らせたにちがいない。だが、おとなの目で原作を読むとき、そこにはおのずと別の世界が現出する。他をえぐり自らをえぐるスウィフト（1667‐1745）の筆鋒はほとんど諷刺の枠をつき破り、ついには人間そのものに対する戦慄すべき呪詛へと行きつかずには止まない。

★スウィフトは、ダニエル・デフォーの『ロビンソン・クルーソー』の形式を継承しつつ、当時のイギリス人社会や慣習への批判を試みている。とくに、イギリスが対アイルランド経済政策により富を一方的に享受し、アイルランドを極度の貧困にあえがせていたことへの批判である。本作は、20世紀では子供向けの物語とみなされ、道徳と品行に対する痛烈な風刺文学であるという事実を見過ごされることも多かったが、実は不朽の風刺文学の一つであり最高の政治学入門書の一つでもある。本作の中には、法における判例上の対立、数理哲学、不死の追求、男性性、動物を含めた弱者の権利等、今日の数多くの議論が予見されていた。

★著者、ジョナサン・スウィフト（Jonathan Swift、1667 - 1745年）は、イングランド系アイルランド人の諷刺作家、随筆家、政治パンフレット作者、詩人、および司祭。ダブリン大学を卒業後に渡英、政治家テンプルの秘書となり国政の様々を学び、文筆の才を養う。29歳で処女作『桶物語』を執筆。テンプルの没後ダブリンに戻り司祭の職に就き、イングランド政界との繋がりを生かしてアイルランド教会のために奔走する。1720年代に入ると文学者として名を馳せ、風刺色の強い作品を発表しながら着想をえた『ガリバー旅行記』を書き上げ、世界的な成功を収める。スウィフトは、英語の散文で諷刺作品を書いた古今の作家のなかでも第一級とされる。作品はほかに『穏健なる提案』、『ステラへの消息』、『ドレイピア書簡』、『書物合戦』など。

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