原文「ハコネウツギヲ 古イ百済ノ壺ニイケ 遠イ天平ノ首飾リヲ想フ 莫」
この美しい仏さまのモデルは京都・浄瑠璃寺の秘仏・吉祥天女像です。
白い肌に引かれた紅、翡翠のイヤリングをつけ、胸元には首飾りがさりげなく掛けられています。実際の浄瑠璃寺の吉祥天は極彩色の着物に身を包んだ美人です。
このファッショナブルで美しい吉祥天女像が安置されている浄瑠璃寺は天平11(738)年行基の開基で建立されました。天平時代のため奈良の寺と思われがちだが、京都府加茂町にある。9体の阿弥陀木彫仏があることから「九体寺」の呼び名でも親しまれています。
詩に歌われているハコネウツギ(箱根空木)はスイカズラの仲間の樹木で、花が咲き始めは白く次第に紅色に変化していくことから、一本の木に白や桃色、紅色の花が咲いているように見える。百済の壺に生けたハコネウツギに浄瑠璃寺の吉祥天を思い浮かべた莫山先生の繊細な視点に触れることができます。
【榊 莫山(さかき ばくざん)】
大正15(1926)年、三重県上野市菖蒲池の17代続く旧家に生まれる。
本名、齋(はじむ)。中学時代は書を松永楳園に、油絵を佐々木三郎に師事。戦後、辻本史邑に書を学び、篆刻を梅舒適に師事する。
日本書芸院展、奎星会展などで度重なる最高賞を受け、審査員としても活躍したが、昭和33(1958)年、書壇を退いて独自の道を歩む。
伸びやかにして奔放自在な書、柔らかなタッチの詩情あふれる風景画、仏の温かさが伝わってくる人物画など「詩書画三絶」の新しい世界を切り開く。
また“莫山流”と称してもいい自然体の生き方を写した文体で「書百話」、「莫山歳時記」(毎日新聞社)などベストセラー多数。
莫山先生は2010年10月3日逝去されました。享年84歳でした。
原文「ハコネウツギヲ 古イ百済ノ壺ニイケ 遠イ天平ノ首飾リヲ想フ 莫」
この美しい仏さまのモデルは京都・浄瑠璃寺の秘仏・吉祥天女像です。
白い肌に引かれた紅、翡翠のイヤリングをつけ、胸元には首飾りがさりげなく掛けられています。実際の浄瑠璃寺の吉祥天は極彩色の着物に身を包んだ美人です。
このファッショナブルで美しい吉祥天女像が安置されている浄瑠璃寺は天平11(738)年行基の開基で建立されました。天平時代のため奈良の寺と思われがちだが、京都府加茂町にある。9体の阿弥陀木彫仏があることから「九体寺」の呼び名でも親しまれています。
詩に歌われているハコネウツギ(箱根空木)はスイカズラの仲間の樹木で、花が咲き始めは白く次第に紅色に変化していくことから、一本の木に白や桃色、紅色の花が咲いているように見える。百済の壺に生けたハコネウツギに浄瑠璃寺の吉祥天を思い浮かべた莫山先生の繊細な視点に触れることができます。
【榊 莫山(さかき ばくざん)】
大正15(1926)年、三重県上野市菖蒲池の17代続く旧家に生まれる。
本名、齋(はじむ)。中学時代は書を松永楳園に、油絵を佐々木三郎に師事。戦後、辻本史邑に書を学び、篆刻を梅舒適に師事する。
日本書芸院展、奎星会展などで度重なる最高賞を受け、審査員としても活躍したが、昭和33(1958)年、書壇を退いて独自の道を歩む。
伸びやかにして奔放自在な書、柔らかなタッチの詩情あふれる風景画、仏の温かさが伝わってくる人物画など「詩書画三絶」の新しい世界を切り開く。
また“莫山流”と称してもいい自然体の生き方を写した文体で「書百話」、「莫山歳時記」(毎日新聞社)などベストセラー多数。
莫山先生は2010年10月3日逝去されました。享年84歳でした。